「駆動ホイールを確認してください」
4年稼働し続けていたecovacs社のお掃除ロボT8が突然エラーが出ました。
前日の夜中は問題なく稼働していましたが、日中手動で稼働させると円を延々と描きだし最終的には「駆動ホイールを確認してください」と連呼。
一度電源ON/OFFすると1サイクル分は復帰しますが、2サイクル目で同様の現象が発生。完全には壊れてないけどたまにエラーが出るような不具合です。
今回はそのエラーの推測される原因と対応を備忘録としてブログに記録します。
ちなみに結果から伝えると正常動作できるまで復元できました。が、ここから先同じように分解・交換する人は自己責任でお願いします。修理の可否に関わらず当方では責任は負いかねます。多分メーカー保証も受けられなくなります。

とりあえずYoutubeで分解動画探し
今どきのド定番ですね。
海外企業のメカは大抵海外の分解業者orDIY系ユーチューバーが解説動画をアップロードしています。
今回も例に漏れなく下記動画で解説されています(おそらくパキスタンの修理業者、機種はN8?)
この動画を見てわかる人はこのブログは読まなくても修理できます。
むしろこの動画を見ながら修理する事を推奨します。
日本語でさっくり説明した物が読みたいという人だけこのブログの続きをご覧ください。
①表面の外装外し
まずはロボット表面のカバーを外します。
ここは爪で掛かっているだけなのでこじってガバっと外します(障害物検知ダンパーを後で外す時に邪魔になるからだと思います)

次にダストボックスが入っている側のカバーを持ち上げて3Dセンサー下にある二つのシリコンキャップを外してネジ2本抜きます。


②裏面のカバー外装外し
ロボットをひっくり返してブラシ類を外します。

赤〇で囲ったネジを取ります(8個)


次に青いバッテリーと用途不明の重り(放熱用なのか重心を下げるためなのか?)を外すためにネジ2本取ります。


そしてここ重要!
下記画像の赤〇で囲った個所にネジが2本あるのでこれも取ってください!(見落としがち)

そして下側にある赤〇で囲った大きめなネジ4本を外します。

③前面障害物検知ダンパー外し
赤〇で囲ったネジ8本取ってカバーを外します

カバーが取れるとダンパーに繋がるコネクターが3本あるので抜いておきますが、結構細いので断線しないように気を付けながら抜いてください。


この3個のコネクターを抜いた後はダンパーをガチャガチャ揺すると取れます。
構造的にどう説明したらよいか分かりませんが、本当にガチャガチャしてると取れます。逆に取り付けもガチャガチャするとハマります。やればできる、やればわかるさ。
④表面外装外しパート2
ダンパーを外すと前面からコネクター各種が見えますが、ここは3Dスキャナーから延びている配線2本を抜きます。

配線を抜いた後、表面の白いカバーを一気に外しますが、爪が掛かっているのか結構な力を要しました。「まだどこかネジが止まってる??」と思ったらくまなく観察して構造を理解した上でカバーを外してください。
分解作業は慎重さが大事です。メーカー修理のように爪を折っても部品無くしても予備パーツから復元できるなんてヌルゲーは個人の趣味修理ではできない事を常に念頭に置いて作業してください。

まずはこの画像を見て配線の引き回しをじっくり観察・記憶してください。この引き回しを把握しているかしてないかで後々の作業の質がグッと変わります。
⑤ホイールアッセンブリの取り外し
赤□で囲った場所がホイールアッセンブリです。
向かって左側はスピーカー配線(白/黒線)、右側は水漏れセンサ?の配線(黄/白/橙線)が一緒にテープ止めされているのでテープを外します。

テープを外した後、各ホイールアッセンブリがネジ4本で取り付けられているのでそれらを外します。左側はそれで脱着可能、右側黄色い□で囲ったウォーターポンプの抑えも外さないと取れないので外します。

各アッセンブリには配線を束ねるフックの様な物が付いているのでそこから配線を慎重に外して線を遊ばせておきます。
この際も配線の束ね具合や引き回しを覚えておくと後々ラクです。

メイン基板にアッセンブリから延びている配線2本を外してホイール全体を取り出します。




アッセンブリを外したら今度はこれをバラしていきます。といっても横にある爪3か所をマイナスドライバーで軽くこじると簡単に取れます。
その際はアッセンブリ上についているホイール位置検知センサーをヒョイっと外してください。ガイドが2本立っているだけなので、引っ張れば簡単に取り外せます。
爪を外すとアッセンブリのカバーが上下に分かれ、片側にホイールが付いてきます。ホイールが振り子のようにガチャガチャ上下しますが、軸がピンで止まっているので片側から棒で押し込んで引き抜きます。




パキスタンの動画を見るとこの煤の様な物が付着=モーターが焼き付いている可能性が高い、或いはブラシが摩耗しているとの事。要は接点不良起こしてるかもね的な推測です。焦げ臭いとかモーターがスタックしているとかそういった感覚は無かったので単純にブラシが摩耗して接点不良を起こしてるだけかなというのが自分の見解です。
⑥アリエクでホイールモーター購入


モーターのみも販売(1200円ぐらい)していましたが、ギアボックスの組付けが面倒なのとホイール自体のゴムも多少劣化してグリップが悪くなっている可能性があったので丸々交換します。
⑦組付け
ここからは逆順に作業するだけなのでパパっと画像で流します。
一部コツが必要というか、戻し難いところがあるのでそこは想像力でなんとかしてください。






あとはアッセンブリを本体側へ組付けるだけです。
が!ここで注意!
戻す際は表面の白いカバーで下記の画像の黄色□で囲ったところの配線を噛まない(挟まない)様に注意してください!最悪ここで挟み込んだり噛んだりすると断線して駆動エラー、或いはバキュームエラー、水漏れエラーが出ると推測されます!

まとめ
組立作業の高効率化で各ユニット毎に簡単に脱着出来る構造は趣味で修理している身としてはありがたいです。が、配線等の引き回しは正直「???」と思うところもありました。
中国の工場作業員みんな手先が器用なんだなぁなんて、ふと思ってもみたり。
ちなみに想像していた以上にネジの本数が多かったです。今どきは爪留めするのが主流かと思ってましたが・・・。

部品調達の敷居が少し高いですが、色々調べてみると案外簡単にできたりもするので業者に頼む前に一度調べてみるのも良いと思います。














この記事へのコメントはありません。