機械的にも気持ち的にもスッキリ締めたい
車のウォーターポンプとか狭いところに付いているパーツでもトルク管理をしたい、均等に締め付けたい!と前々から思っていました。
パッキンやガスケット類が付いているパーツは均等に締め付けてなんぼ、取り付けるボルトの力がバラバラだと負荷の掛かり方が不均一になって漏れの原因です。
でもそんな極狭な場所でのトルク管理は難儀で、今までは素人の勘でまぁこのぐらいだろと言い聞かせながら作業してました。
ただトラブルはなかったもののやはり心はどこか不安で気になってしまいます。
Amazonで全長14cmのトルクレンチ
何か適当な物はないかとAmazonを物色していると気になるトルクレンチを発見。
なんとも強そうな名前のトルクレンチで・・・。
ちなみにAmazonでのレビューはゼロ件、まぁ誰もこんな怪しい代物買いませんよねっていう話。なので人柱としてお試しで購入してみました。お試しというには結構高額ですが。
付属品やらサイズ感
付属するのは、
①本体
②各種ビット
③エクステンション
多分自転車用なんでしょうね、付属も車ではあまり使用しないビット類で差込角も六角といたって普通です。
次にサイズ感。
全長14cm、手のひら乗るサイズ感。
そして力点と思われる線から差込口の作用点までの距離が10cm、1N・mのトルクを掛けるのにおおよそ1kgの重さ(力)が必要といった計算になります。持ち手が指2本分ぐらいなので想像はしていましたが結構しんどいです。
※1N・m = 長さ1メートルの棒の先端に100gの重りを乗せて締めたボルトのトルクというざっくりした計算です。正確な値ではないので参考程度でお願いします。
次に目盛り部分
力点より左側にグルグル回す設定ツマミがありここでトルク設定します。
ツマミを回すと目盛りの左側からシルバーの目印的な何かが出てきます。多分このシルバーの先端が設定値の目盛りになると思います。
この辺りマニュアルが無いので「そういう物だ」と思って使います。
あ、このレンチはラチェット機能は付いていません。購入する際は注意してください。
お待ちかね、気になる精度
さぁさぁ、トルクレンチを扱う上で気になるのがその精度。いかんせんマニュアルも無ければ測定値の証明書も付いてきません。紙と言う紙は何も入っておらずとても不安ですがエコ活動と思って言い聞かせます。
販売サイトでは「DIN ISO 6789で測定された+-4%の精度で測定」と記載されてますがどうなんでしょう。DINとISOの間にENという記載が必要だったような?とまぁいろいろ疑心暗鬼になりそうな表記、そんな物の目盛りを鵜呑みにするのは怖いのでデジタルトルクレンチを利用して測定していきます。
ちなみにデジタルトルクレンチはSK11の「SDT3-060」を使用、電池はパナソニックのアルカリ電池、単4エボルタの新品を利用していますが、校正されている訳ではないのであくまで参考値として読んでください。
また、今回のトルクレンチは差込口が六角ビットなので四角1/4に変換するためコーケンの変換アダプターを使用し、その先にインチサイズの12角ソケットを付けてデジタルトルクレンチと接続しています。
測定結果
まずは結果から。
想像はしていましたがだいぶ荒れてます。変換アダプターやソケット間で力の損失はあると思いますがまぁ荒れてます。+-4%はどこへいったのでしょうか・・・。辛うじて2N・mの3回目は入ってますがそこだけ切り取って「誤差範囲内!」なんて世の中の切り取り動画より酷い事は自分にはできません。
最初の2N・mを測った時点で無意味さを感じたので中間トルクは省いて車でよく使われるトルク値を実測してみました。誤差約20%はだいぶキてます。結果が全てマイナス方向なので損失分を上乗せしたとしても設定トルクより確実に足りないです。
測定間のバラツキも計算するのが面倒なので省略・・・。
この結果を見て買う買わないを決めるのは貴方次第です!
まとめ
使い方としては予めデジタルトルクレンチなんかで計測して、自分なりのメモリを作って使う事をオススメします。
とりあえず「狭い環境で」「複数のボルトを」「均等に締める」という事は可能なので実測値を参考にしてこのレンチは使用していきたいと思います。
ちなみにこのレンチより7cm長い21cmのラチェット式トルクレンチも販売されています。
パっと見で検査成績表らしき物も見えますが、個別印刷ではなく雛形でのコピペ印刷にしか見えないのであまり当てにならないかなと思いますがその辺りは自己判断で!
以上、お役に立てれば幸いです。
この記事へのコメントはありません。