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フランス車は壊れやすいというのは本当なのか 【連載記事#1】

外車=壊れるというイメージは正しいのか

『外車』あるいは『輸入車』と聞くと「高級車」といったイメージが先行しますが、次に「壊れやすい」「維持費が高い」といったマイナスイメージが必ずといって良いほどついてきます。

本当に外車は壊れやすくて維持費が高いのか。今回は自分自身が3年以上乗っている【PEUGEOT RCZ(左ハンドル 6MT 2011年式)】で実際の故障体験談から頻度や維持費などを淡々と記事にしていきます。

断りとして、RCZは2017年に総走行距離7万kmで購入し2020年現在では14万5千km走行、前オーナーの整備履歴・故障履歴は不明、というのが現状。

始めは順調だったが・・・

購入してから数か月間しばらくはエラーも出ず快適な外車ライフを過ごしていたが、夜間国道を走行しているとEngine faul: Repair neededが発動した。

※参考画像

トラブルその1「ソレノイドバルブ」

初めての経験。幸い車は自走可能。後々調べると最近の車は重症でない限り速度を40km/hで制限して自走出来るらしいです。

この時ODB診断機(車の故障状況を把握するための道具)を持ち合わせておらず、やれる事と言えばエンジンを掛け直す事しか出来ませんでした。恐る恐るエンジンを掛け直すし、エラーは出続けるものの制限速度もなく普通に走れる。これも後々知りましたが再始動すると走り出すのは輸入車あるあるです。

翌日ディーラーへ持ち込み事情を説明しピットへ。結果から言えばVVTソレノイドバルブというオイル経路を電気信号で変更するいわゆる「電磁弁」の遅延したエラーコードが出たと。
今回はVVTと言う事でカムシャフトの可変に影響するところであろう部品で、エンジン掛け直して普通に走れた事を考慮するとオイルの劣化による動作不良でのタイムアウト(設定した時間より動作が遅い)か、何らかの信号を誤認識したかという判断に至りました。とりあえずリセットしその場で再発しない事を確認しメンテ終了。
※作業費は無料だったが他店も無料かと言われると断言できないので参考までに。

参考:ソレノイドバルブ

推測

実はこのエラー、この後1年の間で2~3回発生したのだがある事を機にピタリと止まった。それは「オイルの量を多めに維持する」でした。輸入車はオイルを消費するなんていう噂を聞いていたのでオイル量を定期的に観察していましたが、振り返ってみるとエラーが出る時は決まって「オイル量がオイルレベルゲージの下限ぎりぎり」だった事に気づきました。

あくまで推測ですが、おそらくオイル量が足りず油圧不足によりカムの可変遅延が発生し、それを遅延エラーとして吐き出したのではないかなと。ソレノイドバルブにも電極は2つしかなくポジションセンサーを持っているとは思えない。そう考えるとやはり油圧不足だったのではないか。そう考察してからはオイルゲージのメモリ半分くらいを仮下限と設定して、1か月に1回は減った分を補給するようにしてます。その後関係したトラブルは発生していません。

トラブルその2「イグニッションコイル」

イグニッションコイルはエンジンの上部についてます。エンジンを回すにはガソリンを爆発させますがそれには火種が必要であり、その火種を発生させる「スパークプラグ」は高い電圧が必要です。そのスパークプラグに高電圧を掛ける(発生させる)のがイグニッションコイルです(原理は二次コイルとか磁束とかぐぐってね)

スパークプラグ
イグニッションコイル

事はこれも国道を走行中に起こりました。登坂を走行中に「ボスボスボスボス」と周期的な異音が聞こえどことなく加速感も無い。次の瞬間エンジンチェックランプが点滅、そのまま5秒ほど走り続けると点灯に切り替わり例のメッセージが表示されました。

参考画像

この時はRCZを購入してから既に2年ほど経過しており、自身も輸入車に対する知識は素人でもある程度は理解していたので現象が出た時には「ついにきたか・・・」なんて達観してました。それと同時にイグニッションコイルかなぁなんて予想できていました。

推測

おさらいとしてエンジンチェックランプの点滅/点灯の違いについてネットで調べてみると、

  • 点滅・・・アンチポリューションエラー
  • 点灯・・・エンジントラブルエラー

と、意味合いが若干異なる事が分かりました。点滅は触媒を損傷させる可能性があるエラーが発生、点灯はエンジン関係にトラブルが発生という意味らしいです。そこから考えられる現象として、

  • 異常が発生している気筒で生ガス(混合気)が燃焼されずそのまま触媒に付着
  • 他の正常な気筒で発生した高温ガス(排気ガス)が触媒へ向かう
  • 生ガスが付着した触媒に高温ガスが通る
  • 生ガスが高温ガスにより燃焼され触媒が超高温になる(点滅)
  • 「このままでは触媒が壊れるてしまう」とコンピュータが判断・燃料カット
  • エンジンチェックランプ点灯

という事ではないかなと。燃料カットについて何故不具合気筒を狙ってカット出来るのかはODBエラーコードに「ミスファイア」という項目があり、各気筒の燃焼具合を監視してます。異常燃焼時にその気筒だけ燃料カットが出来るという事はイメージつきやすいでしょう。

そう予想を付けるとあとは簡単です。診断機にかけて不具合が発生している気筒を特定し、そのイグニッションコイルを他気筒と入れ替える。再度診断機に掛けて移っていれば見極め完了。予備のイグニッションコイルと交換。

事前に輸入車トラブルについて調べていたので診断機や予備のイグニッションコイルをいつもトランクに保管してます。

これと同じ物

ちなみに、フランス車界隈ではトランクに予備のイグニッションコイルを常備しておく事は鉄則らしい。現にその先人の教えのお陰で今回救われたのである。


しかし、ネットで調べると故障頻度がそこそこ高い故に、純正イグニッションコイルの品質も疑わしいなんて事もチラホラ聞こえます。そうなるといつまた今度壊れるか分からないとう不安感を拭えませんし、社外のOEM品も同じぐらいの品質だろうと察しがつきます。

そんな不安を少しでも解消するため、自分はHIGH SPARK IGNITIONCOIL JAPANさんのハイスパークイグニッションコイルを導入しました。性能もさることながらやはり「日本産」という安心感はとても心強いです。

連載記事#2へ続く

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